くだらない告白

「君を幸せにするから。」、なんて。くだらない。

今の自分じゃそんな感想しか抱けない。それは一生の愛を捧げる告白のような、人の覚悟に対する野次じゃなく。あくまでも自分に向けた言葉。詰まるところ、今の自分じゃ誰かに愛を捧げるなんてことすらも烏滸がましくてできないなって話。そりゃ自分だって人間だから人を好きにもなるし、自分を好きになってくれる人がいてくれるのなら、その人のそばにずっといたいしその人のために自分の全てを捧げたい。幸せにしてあげたい。

でも、今の自分じゃダメなんだ。叶えたいと思っている夢も道半ば。誰かのためになることをして、その対価としてお金をもらう。自分自身、おれがおれとして誰かの役に立たないと意味がないんだ。誇りも持てないような替えの利く歯車でもらうお金じゃ、腹は満たせても心が満たされない。

まだおれは自分自身もまともに幸せにできちゃいない。もちろん人並みの生活ができる幸せはあれど、自分を満たせる幸せまでは手に入れられてない。自分一人もろくに満たせない分際で何が他人様を幸せにするだよ。誰かに自分を捧げれば今までみたいに自分自身に使えていたものも使えなくなっていく。夢や目標は遠ざかっていくばかり。だからと言って愛する人を雑に扱ってしまうようなことは許されない。いつだって諦めるのは自分自身。もし夢に背をむけ別の幸せを手にしようとするのなら二度と振り返るな。孤独から逃げるために、夢を諦めるために、そんなことのために他人への愛を使うなよ。くだらない。

今の自分じゃ与えられるものなんて何もない。好きな人ができても家族ができても子供ができても、彼氏として旦那として父ちゃんとして何より自分自身として、与えられるものは何もない。夢を諦めた自分の背中じゃ誰もついてきやしない。

もし夢を追い続けそれが叶わなかったととして、生涯孤独になってしまったとしても、それはそれでおれの運命。受け入れる以外にないじゃないか。誰にも好かれずとも自分だけは自分の味方でいたいから。まずは、いや、前提として自分を幸せにしてやらなくちゃ。

そしたらいつか胸を張って言ってやる。

「君を幸せにするから。」